津軽三味線の弾き方|構え・撥・基本奏法と練習方法

津軽三味線は、胴を体にぴったりつけて構え、右手の撥で糸と皮を叩くように弾きます。左手は、指すりをはめた指で棹の上の正しい位置(勘所)を押さえて音の高さを変えます。

最初は曲を弾くより、構えを安定させて、左手で押さえない開放弦に撥を狙って当てる練習から始めます。このページでは、構え方、右手と左手の基本の奏法、家での練習方法を順に解説します。

※撥の持ち方や細かなフォームは、流派や先生によって違います。教室に通っている場合は、先生の指導を優先してください。

構え方

津軽三味線は、胴を体にぴったりつけて構えます。

  • 胴を右ももの上にのせ、体に密着させる
  • 胴に付けた「ひざゴム」で、演奏中に楽器がずれないようにする
  • 棹は斜め上に向け、左手で支えすぎない
  • 肩や腕に余計な力を入れない

構えが安定しないと、撥の当たる位置が毎回ずれます。撥が狙った糸に当たらないときは、撥の動きより先に構えを見直してください。

津軽三味線は基本的に椅子に座って弾きます。正座で弾く必要はありません。

右手:撥の基本は「叩き」

津軽三味線の右手は、撥を振り下ろして糸と皮を叩く「叩き」がメインです。演奏のほとんどはこの叩きで音を出し、ほかの奏法はそこに表情をつけるために使います。まずは叩きを安定させることを目標にしてください。

撥の素材や重さの選び方は津軽三味線の撥の選び方で解説しています。

奏法 動き ポイント
叩き 撥を振り下ろし、糸と皮を叩く 津軽三味線のメインの奏法。打楽器のような音が出る
スクイ 撥で糸を下からすくい上げる 振り下ろした撥を返す動きで音を出す
前撥・後撥 振り下ろす撥と振り上げる撥で強弱をつける 津軽独特のリズムを作る

前撥・後撥とは

前撥・後撥は、津軽三味線独特の技法です。前撥では音が小さく、後撥では音が大きくなり、打楽器のような強弱のリズムが生まれます。津軽じょんがら節などの曲で使われます。

最初は1回ずつ撥を振り下ろして叩く練習から始め、慣れてきたら前撥・後撥に進むのが一般的です。

左手:押さえ方と基本の奏法

左手の親指と人差し指には「指すり」をかけます。指すりは布でできていて、棹の上で手をなめらかに動かし、押さえたい位置にすぐ移動できるようにする道具です。

奏法 動き
押さえる 勘所を指で押さえて音の高さを変える
ハジキ 左手の指で糸をはじいて音を出す
うち 撥ではじいた糸を、左手の指で打って音を出す
すり 撥で弾いた後、左手を一気に下げて音を変える
ゆり 撥で弾いた後、左手を上下させて音をゆらす

三味線の棹にはフレットがないため、勘所から少しずれるだけで音程が変わります。最初はチューナーで音程を確認しながら押さえる位置を覚えると、耳も育ちます。

練習方法:初心者が最初にやること

1. 開放弦を狙って叩く

左手で何も押さえず、一の糸・二の糸・三の糸を1本ずつ狙って撥を当てます。3本の糸の間隔はせまいので、1本だけに当てられるようになるまで繰り返します。

2. ゆっくりのテンポで1フレーズずつ

曲の練習は、速さより正確さを優先します。1フレーズずつゆっくり弾き、撥と左手がそろってからテンポを上げます。メトロノームを使うとテンポのぶれに気づけます。

3. 録画してフォームを確認する

弾いている間は、自分の構えや撥の角度は見えません。スマホで正面と横から録画し、手本の演奏と見比べてください。

4. 調弦してから練習する

調弦がずれたまま練習すると、左手の押さえる位置もずれて覚えてしまいます。練習の前に毎回合わせます。方法は津軽三味線のチューニング方法で解説しています。

経験者からのアドバイス
家で長く練習できなくても、上達はできます。編集部メンバーも、稽古は月に数回で、家での練習時間は多くありませんでした。練習時間が少ないときほど、稽古で直された点を1つ決めて、次の稽古までにそこだけ確認しておくと、限られた時間でも前に進めます。

家で練習するときの音量対策

津軽三味線は、撥で皮を叩くため音が大きい楽器です。集合住宅などで練習するときは、音量を抑える工夫があると安心です。

  • 忍び駒:音を小さくするための駒。普通の駒と付け替えて使う。音は小さくなるが、撥が皮に当たる音は残る
  • 練習時間帯を選ぶ:夜間や早朝を避ける
  • スタジオを使う:音楽スタジオや、楽器演奏ができる貸し部屋を借りる

まとめ:津軽三味線の弾き方と練習方法

知りたいこと ポイント
構え 胴を体にぴったりつけ、ひざゴムでずれないようにする
右手 撥で糸と皮を叩く「叩き」がメイン。スクイ、前撥・後撥で表情をつける
左手 親指と人差し指に指すりをかけ、勘所を押さえる。ハジキ・うち・すり・ゆりなどの奏法がある
最初の練習 開放弦を1本ずつ狙って叩く→ゆっくり1フレーズずつ→録画で確認
家での練習 忍び駒などで音量を抑える。練習時間が少なくても、直す点を1つに絞る

練習がうまくいかないときは、津軽三味線は難しい?でつまずきやすい点と対策をまとめています。津軽三味線の全体像は津軽三味線の総合ガイドをご覧ください。

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