津軽三味線のチューニング方法|調子笛・チューナーの使い方

津軽三味線のチューニング(調弦)は、3本の糸の音の高さを曲に合わせてそろえる作業です。よく使う調子は「二上り」「本調子」「三下り」の3つで、津軽三味線では二上りがもっとも多く使われます。

合わせ方は、調子笛で耳で合わせる方法と、チューナーで合わせる方法が基本です。このページでは、3つの調子の音の関係と、調子笛・チューナーそれぞれの手順、慣れてきたら目指したい耳での合わせ方をまとめました。

津軽三味線の3つの調子

三味線は、曲によって糸の音の関係を変えます。基準になるのは本調子で、そこから二の糸を上げると二上り、三の糸を下げると三下りになります。

調子 音の関係 4本の場合の音 本調子からの変え方
二上り(にあがり) ド・ソ・ド C・G・C 二の糸を一音上げる
本調子(ほんちょうし) ド・ファ・ド C・F・C 基準
三下り(さんさがり) ド・ファ・シ♭ C・F・B♭ 三の糸を一音下げる

一の糸がもっとも低く、三の糸は一の糸の1オクターブ上(本調子・二上りの場合)になります。津軽三味線では二上りがもっとも多く、次に本調子、三下りの順に使われます。

「二上がり」「三下がり」と書くのが本来の送り仮名ですが、「二上り」「三下り」と書くのも一般的です。

「4本」などの本数とは

調子笛や三味線の資料では、一の糸の音の高さを「4本」「6本」のように本数で表すことがあります。1本がA(ラ)で、1本増えるごとに半音ずつ高くなり、4本がC(ド)、6本がD(レ)です。たとえば「4本の二上り」なら、C・G・Cに合わせます。

ただし、呼び方は地域や会派で違い、東日本では尺八の長さに由来する「尺寸(しゃくすん)」で表す会派もあります。初心者のうちは覚えなくても困りません。教室で「〇本で」と言われたら、その音に合わせれば大丈夫です。

調子笛でのチューニング方法

調子笛は、音の高さごとに笛が並んだ道具です。笛にはアルファベットなどで音名が書かれていて、合わせたい音の笛を吹いて、その音に糸を合わせます。

手順(4本の二上りの例)

  1. 調子笛のC(4本)を吹き、一の糸をその音に合わせる
  2. 調子笛のGを吹き、二の糸を合わせる
  3. 三の糸を、一の糸の1オクターブ上のCに合わせる
  4. 3本を順に鳴らして、ずれていないか確認する

糸巻きを回して音を上げ下げします。音は低いほうから上げて合わせると、ぴったりの位置で止めやすくなります。

調子笛には高音用と低音用があり、高音用のほうが音を合わせやすいとする解説もあります。

経験者からのアドバイス
調子笛で合わせる方法は、最初は難しく感じても覚えておく価値があります。編集部メンバーも、チューニングは調子笛で合わせていました。耳で音を合わせる練習を続けると、演奏中に音がずれたときにも気づけるようになります。

チューナーでのチューニング方法

今はチューナーで合わせる人も多く、初心者でもすぐに正確な音に合わせられます。

  1. クリップ式のチューナーを、三味線の天神(棹の先)か胴に付ける
  2. 合わせたい音(4本の二上りなら一の糸C)を表示させる
  3. 糸を1本ずつ鳴らし、表示を見ながら糸巻きで合わせる

チューナーの基準ピッチは、一般的に440Hzにしておけば問題ありません。チューナーが反応しにくいときは、付ける位置を変えてみてください。

調子笛とチューナーの使い分け

方法 向いている場面
調子笛 耳を鍛えたいとき。稽古場で先生と合わせるとき
チューナー 初心者が正確に合わせたいとき。ほかの楽器と合わせるとき

チューナーは平均律で音を示しますが、三味線のさわり(独特の響き)がもっともよく響く位置は、平均律より少し高めになるという説もあります。

慣れてきたら耳で合わせる

経験を積んだ奏者は、調子笛やチューナーに頼らず、耳だけで合わせるのが基本です。演奏中に糸が緩んで音がずれたときも、演奏を止めずに弾きながら糸巻きで直します。最初はチューナーや調子笛を使いながら、合った音を耳で覚えていくと、少しずつ耳だけで合わせられるようになります。

チューニングがずれる・合わないときは

  • 新しい糸に張り替えた直後:糸が伸びて音が下がりやすい。少し高めに合わせてしばらく置き、糸を落ち着かせる方法がある
  • 糸巻きが戻る:糸巻きは押し込みながら回して止める。すべる場合は、先生や専門店に相談する
  • 合わせたつもりでも音が違う:基準の音(本数)を間違えていないか確認する

まとめ:津軽三味線のチューニング

知りたいこと ポイント
よく使う調子 二上り(ド・ソ・ド)が最多。次に本調子(ド・ファ・ド)、三下り(ド・ファ・シ♭)
本数 一の糸の音の高さの呼び方(4本=C)。初心者は教室の指示どおりに合わせればよい
調子笛 合わせたい音の笛を吹いて耳で合わせる。耳が鍛えられる
チューナー 天神か胴に付けて表示を見て合わせる。基準は440Hz
慣れてきたら 耳だけで合わせる。演奏中にずれたら弾きながら直す
ずれるとき 新しい糸は伸びやすい。基準の音の間違いも確認する

チューニングができたら、津軽三味線の弾き方と練習方法で基本の奏法に進みましょう。津軽三味線の全体像は津軽三味線の総合ガイドをご覧ください。

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