津軽じょんがら節とは?由来・旧節と新節の違い・聴きどころ

津軽三味線といえば、まず「津軽じょんがら節」を思い浮かべる人も多いと思います。ただ、同じ曲名でも演奏によって雰囲気がまったく違い、どれが本来の形なのか分かりにくい曲でもあります。

津軽じょんがら節は、青森県津軽地方に伝わる民謡で、津軽三味線の代表曲です。演奏された時代によって「旧節」「中節」「新節」などの違いがあり、現代では三味線だけで聴かせる独奏(曲弾き)としてもよく知られています。このページでは、由来、節の違い、唄付けと曲弾きの違い、聴きどころをまとめました。

津軽じょんがら節の基本

項目 内容
表記 「津軽じょんがら節」「津軽じょんから節」のどちらも使われる
地域 青森県津軽地方の民謡
位置づけ 津軽五大民謡の一つで、その中でもっとも広く知られた曲
演奏の形 唄に合わせて弾く「唄付け」と、三味線だけで弾く「曲弾き」がある

津軽じょんがら節は、津軽よされ節・津軽小原節とともに「津軽三つ物」とも呼ばれ、その代表とされています。

由来には複数の説がある

津軽じょんがら節の由来には、いくつかの説があります。

説 内容
上河原(じょうかわら)説 慶長2年(1597年)に落城した浅瀬石(あせいし)城の城主の霊を慰めるために唄われた唄が始まりとする説。「じょんから」は地名の「上河原」から来ているとされる。青森県黒石市には「発祥の地」の石碑がある
北陸の唄が伝わった説 瞽女(ごぜ)や座頭(ざとう)が唄い歩いた北陸の「新保広大寺くずし」が津軽に伝わり、発展したとする説

どちらか一つに決まっているわけではなく、民謡の団体や解説によって紹介のしかたが異なります。なお、石川県など、ほかの地方にも「じょんから」と呼ばれる唄が伝わっています。

旧節・中節・新節の違い

津軽三味線によるじょんがら節の曲調は、時代とともに何度か変化してきました。

節 時代の目安 特徴
旧節 明治20年(1887年)ごろより前 民謡の伴奏としての古い形
中節 昭和初期まで 旧節と新節の間の時代の形
新節 昭和初期以降、特に戦後に広まった 華やかで技巧的。津軽三味線の独奏に欠かせない一曲
新旧節 近年 旧節のような民謡の前弾き・伴奏に立ち返りつつ、盛り上げる形

構成やリズムは節によって違うので、同じ「じょんがら節」でも聴いた印象が大きく変わります。今の奏者の中には、旧節・中節・新節を1枚のアルバムに収めた人もいて、聴き比べる手がかりになります。

唄付けと曲弾きの違い

もともとの津軽じょんがら節は、三味線の前奏のあとに太鼓が入り、唄へと続く民謡です。この前奏部分が独立して発展したのが、三味線だけで聴かせる「曲弾き」です。

唄付け 曲弾き
内容 唄に合わせて弾く伴奏 三味線だけで聴かせる独奏
聴きどころ 唄との掛け合い、民謡としての味わい 奏者ごとのフレーズ、スピードと迫力

曲弾きは即興性が高く、同じ曲でも奏者によってフレーズや盛り上げ方が違います。

聴きどころ:強弱のリズム

じょんがら節では、撥を振り下ろすときと振り上げるときで強弱をつける「前撥・後撥」という津軽三味線独特の奏法が使われます。前撥は音が小さく、後撥は音が大きくなり、打楽器のような強弱のリズムが生まれます。この強弱の刻み方に注目して聴くと、じょんがら節らしさが分かりやすくなります。

弾いてみたい人へ

奏者ごとに組み立てる長い曲弾きは、初心者がいきなり弾くには難しいものです。練習曲として定番の「六段」も、じょんがら節の曲弾きの一種です。まずは六段や津軽甚句などで撥と左手の基本を身につけ、入門向けに短くしたアレンジから挑戦するのがおすすめです。

経験者からのアドバイス
じょんがら節は、津軽三味線を続けるうえで大きな目標になる曲です。編集部メンバーもじょんがら節を弾いてきました。練習するときは、いろいろな奏者の演奏を聴いて、目指したい弾き方のイメージを持っておくと、フレーズやリズムの感覚がつかみやすくなります。

初心者向けの曲は津軽三味線の初心者向け練習曲、基本の奏法は津軽三味線の弾き方と練習方法で解説しています。

まとめ:津軽じょんがら節

知りたいこと ポイント
どんな曲? 青森県津軽地方の民謡。津軽五大民謡の一つで、津軽三味線の代表曲
由来 上河原説、北陸の新保広大寺くずしが伝わった説など、複数の説がある
節の違い 旧節・中節・新節・新旧節。時代によって構成やリズムが違う
演奏の形 唄付けと曲弾き。曲弾きは前奏部分が独立して発展したもの
聴きどころ 前撥・後撥による強弱のリズム、奏者ごとのフレーズの違い

ほかの代表曲は津軽三味線の有名な曲で紹介しています。津軽三味線の全体像は津軽三味線の総合ガイドをご覧ください。

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